
〝不名誉な称号〟を返上だ。体重無差別で柔道日本一を決める全日本選手権(26日、東京・講道館)、100キロ超級の太田彪雅(24=旭化成)が、決勝で前年覇者の羽賀龍之介(30=同)を破って初優勝した。
実力で悔しさを晴らした。初戦の2回戦から3試合連続で一本勝ちを収めるなど、順当に決勝まで駒を進めた太田の前に立ちはだかったのは、昨年の決勝で敗れた羽賀だった。この日は互いに仕掛けながらも攻め込むことができず、両者ともに2つの指導が与えられる。その後、ゴールデンスコアに突入すると、太田が小外刈りで技ありを奪って、勝利をたぐり寄せた。
初めて頂点に立った太田は「悔しい気持ちを1年間持ち続けて、羽賀先輩にしっかり勝って自信がつきました」と率直な感想を口にした。さらに「『決勝戦で投げられた人』と言われてきたので、それがやっと報われた」。所属の先輩に昨年の〝借り〟を返したことで、自身に付きまとっていた〝負の称号〟とも決別することができた。
また、昨年4月から現在の所属になった太田は、73キロ級東京五輪金メダルの大野将平、81キロ級同の永瀬貴規が練習する姿に刺激を受けたという。「休まず稽古し続ける姿勢。自分は休んでしまったりするんですけど、2人が休まずやっている姿を見ると、自分はまだまだだなと思いました」
3年後の大舞台を見据え「最終的にはパリ五輪で優勝するのが目標」としつつも「その前にもたくさん試合があるので、一つずつ優勝していきたい」と太田。実力を磨いて海外のライバルにも立ち向かっていく。
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