柔道日本代表が12日、国際大会のグランドスラム(GS)パリ大会(16、17日)へ出発。東京五輪から引き続き女子を率いる増地克之監督(51)が新たな船出の心境を語った。

 東京五輪で女子は金メダル4個を獲得。しかし、増地監督は「(2024年の)パリ五輪までの厳しい戦いを勝ち抜くためにも、また気を引き締めて戦っていく必要がある。もう終わったことは忘れて」と、すでに気持ちを切り替えている。

 今大会、五輪組はエントリーしていない。「全員がスタートラインに立つということ」と位置付けた。新たな顔触れに対して「もちろん結果も大事ですが、結果を求め過ぎて自分の柔道ができないのは一番まずい。とにかく自分が今、持っている力がどれくらい通用するのか。パリ五輪に向けてこの大会を一つのステップにしてもらいたい」と期待を寄せている。

 具体的には寝技の強化だ。東京五輪では78キロ級の浜田尚里(自衛隊)がオール寝技の一本勝ちで金メダルを獲得。対外国人を見据えた増地監督は「これまで取り組んできた寝技(の方針)はまず変えることはない。これをしっかりベースにしていく。とにかく寝技ができる、できないで大きく勝敗にかかわってきますので」と話した。その上で「今、持っている技術に満足することなく、寝技のバリエーションをこの3年間で身に付けさせていきたい」と〝進化〟させる意向だ。