東京パラリンピック・柔道競技(28日、日本武道館)、柔道女子57キロ級の3位決定戦が行われ、広瀬順子(30=SMBC日興証券)はゼイネプ・チェリキ(トルコ)に敗れ、2大会連続のメダル獲得とはならなかった。

 初戦を一本勝ちで制した広瀬は、準々決勝で敗れたが、敗者復活戦を経て3位決定戦に進出。何度も相まみえてきたチェリキ相手に中盤、技ありを決めて試合を優位に進めたが、終盤に技ありを許し、ゴールデンスコアに突入。最後は合わせ技で一本を奪われた。

 試合後、広瀬は「メダルにつながらなくて悔しいが、持っている力は出し切った。2回戦からは勝ったことのない選手ばかり。気合を入れないとメダルにも手が届かないと思っていた」と振り返った上で「5年間の練習の成果を試せる場所がもらえてうれしく思う」と感謝を口にした。

 山口県出身の広瀬は、小学5年から柔道を始めると、高校時代にはインターハイに出場。大学1年時に膠原病の一種である成人スティル病の合併症により視力が低下し、一度は柔道から離れたが、2012年に視覚障がい者柔道へ転向。16年リオ大会では、日本人女子選手で初となる銅メダルを獲得している。