東京五輪の柔道競技6日目(29日、日本武道館)、女子78キロ級決勝で金メダルを獲得した浜田尚里(30=自衛隊)は試合後も「寝技」へのこだわりを口にした。

 柔道関係者をして「職人技」と言わしめる浜田は、この日もオール寝技一本勝ち。決勝戦の相手のマロンガ(フランス)に対しては、柔道着で腕をロックしたまま二重からみを解いてガッチリと抑え込む〝業師〟ぶりを見せつけた。

 V後に「得意の寝技で勝てて良かった」と話した浜田。その後のメダリスト会見でも「今回の大会は自分の得意な寝技でしっかり勝ちたいと思って臨みました」と言いつつ「寝技はすごく自分を助けてくれているものだと思っています」と思いを口にした。

 ちなみに、優勝決定直後は落ち着いた表情を見せ、畳を降りると笑顔。さらにその後のテレビ中継インタビューでは涙を流し、たった数分の間に感情が目まぐるしく変わっていた。その心境について「優勝が決まった時はあまり実感がわかなくて、畳を降りて日本チームのみんなの顔を見たときに〝金メダル取れたんだな〟という気持ちが少しずつ出てきました」と話し、最後は「所属のチームの皆に感謝を伝えたいと思います」と締めくくった。