東京五輪の柔道競技5日目(28日、日本武道館)、男子90キロ級の向翔一郎(25=ALSOK)は、3回戦でクリスティアン・トート(ハンガリー)に敗れ、メダル獲得とはならなかった。

 2回戦を合わせ技一本で勝利を収め「手応えはあった。今日は調子いいなと思った」とコンディションは万全だったが、トートとの一戦は延長までもつれながらも、大内刈りで一本を奪われた。

 試合後には「これが勝負の世界なので、どっちに転んでもおかしくないと思う。でも、自分が最後の捨て身技にいったことに対しては後悔していない。自分の本能のままに柔道をしただけなので、それが結果につながらなかった」と悔しさをにじませた一方で「自分の本能のままに柔道できたことはすごい楽しかったです」と振り返った。

 ただ、思うような結果を残すことができなかった点については「ここまで調整をさせてもらって、いろんな人の支えがあった。問題を起こしつつも、こうやって五輪の舞台に立たせてくれた先生方やサポートしてくれた方々に対してありがたい気持ち。その人たちに恩返ししたかったが、実現しなかったのが申し訳なかったです」と言葉をつまらせた。