柔道男子代表の井上康生監督(36)が暴走王・小川直也(46)の長男・小川雄勢(18=修徳高3年)に世界ジュニア選手権(22日開幕、米国・フォートローダーデール)での大暴れを指令した。

 雄勢は9月の全日本ジュニア100キロ超級で優勝し、初の世界切符を獲得した。17日には日本体育大学での強化合宿を打ち上げ、最終調整を完了。いよいよ18日に米国に出発するが、井上監督は「可能性を非常に秘めた将来楽しみな選手。今後、重量級をお父さんと同じような形で引っ張ってもらえるような選手になってもらいたい」と最大級の期待感を口にした。

 高校2冠のタイトルを引っ提げて臨んだ全日本ジュニアでは、父の小川も「なんで勝てたのかよく分からない。何か出来過ぎで怖い…」と驚くほどの底力を発揮し、年上の大学生を次々と撃破した。大舞台の勝負強さは実績以上のものがあり、井上監督も「順調に一歩一歩前に進んでいる」。

 日の丸を背負って戦うのも今回が初めて。これが世界デビューとなる暴走王ジュニアに、失うものは何一つない。低迷する重量級の再建に向けても井上監督は「日本代表としての誇りと責任を持って、今までやってきたことを思い切って試合で出してほしい。彼は一番上を目指している。それを達成できるように、私も含めてサポートしていきたい」。2020年東京五輪へ初めの一歩だ。