柔道世界選手権で銅 判定に泣いた高藤

2014年08月26日 16時00分

【柔道世界選手権】男子は60キロ級のエース、高藤直寿(たかとう・なおひさ=21、東海大)が2連覇を逃し、まさかの銅メダル。波乱のスタートとなった。

 

 思いもよらない結末に高藤は「今までの柔道人生で予想できないことが起きた」と目を真っ赤に腫らした。地元ロシアのムドラノフとの準決勝。有効を奪われた高藤は反撃の大腰で一度は技ありの判定。しかし、すぐに有効に格下げされる。さらに相手を畳に投げたが、今度は有効が取り消された。これでリズムが狂ったのか、指導を受けて優勢負けとなった。

 

 納得のいかない高藤は両手を大きく広げ、主審に不満をアピール。担当の古根川実コーチ(35)に「なぜ取り消しなんだ」と大声で訴えた。井上康生監督(36)も国際柔道連盟(IJF)のバルコス審判主任理事のもとに出向き「有効、技あり、一本の定義にばらつきがあるのでは」と質問したが、もちろん判定は覆らない。

 

 ただ、これまでは柔道母国の日本を相手に、これほど露骨な“地元有利裁定”は見られなかった。世界におけるニッポン柔道の威信はただでさえ、低下している。IJFの理事には昨年8月に全日本柔道連盟の上村春樹前会長(63)が退任後、日本人は一人もいない。23日にはIJFの理事会が開催され、来年日本での開催を目指した世界ジュニア選手権がUAEで開催されることが決定。日本は事前に理事会の開催さえ知らず、“落選”をホームページで知るなどお粗末な対応だった。

 

 世界のお手本だったニッポン柔道が世界から置き去りにされる事態に。高藤は3位決定戦は一本勝ちしてうっ憤を晴らしたが、日本柔道界に突きつけられた課題を象徴する銅メダルとなった。