柔道の世界選手権(6月、ブダペスト)の代表選考会を兼ねる全日本選抜体重別選手権(福岡国際センター)最終日が4日、男子7階級で行われ、試合後に行われた強化委員会で代表選手が決定した。

 今大会は各階級で五輪代表補欠選手の欠場が相次いだ。だが実績を重視し、そのまま補欠選手が名前を連ねる中、60キロ級の2枠目の選手としてこの日涙の初優勝を果たした、バルセロナ五輪柔道男子71キロ級金メダルの古賀稔彦さん(享年53)の次男・玄暉(22=旭化成)が初選出された。

 発表会見に臨んだ金野潤強化委員長(54)は「玄暉選手がどのような試合をするかと思っていたが、何よりも勝ち切るんだという思いを感じた。国際大会が制限されている中では直近の大会にウエートがいくが、トータル的に精査して決めた」と選出の理由を述べた。

 同じく男子代表の井上康生監督(42)は「今大会は(ヒザの)ケガもあり、お父さんの死も受け入れないといけなく、葛藤があったと思う。課題はあるが今後の様々な戦いに打ち勝っていくことを証明できたのでは」と、24年パリ五輪に向けても期待を寄せた。

 さらに「古賀先生も天から見守っている。過去に親子で世界チャンピオンになったケースはない。6月にその偉業達成のチャンスがあるので頑張ってほしい」とエールを送った。

 世界選手権個人戦の各階級代表は以下の通り

 ▽60キロ級 永山竜樹(24=了徳寺大職)、古賀玄暉(22=旭化成)

 ▽66キロ級 丸山城志郎(27=ミキハウス)

 ▽73キロ級 橋本壮市(29=パーク24)

 ▽81キロ級 藤原崇太郎(22=旭化成)

 ▽90キロ級 長澤憲大(27=パーク24)、村尾三四郎(20=東海大)

 ▽100キロ級 飯田健太郎(22=旭化成)

 ▽100キロ超級 影浦心(25=日本中央競馬会)