先月24日にがんのため亡くなったバルセロナ五輪柔道男子71キロ級金メダルの古賀稔彦さん(享年53)に3日、母校・日体大の入学式において「日本体育大学功労スポーツマスター」の称号が授与された。授賞式には古賀さんの長男で令和2年に同校を卒業した颯人氏(23)が出席。約1000人の新入生を前に賞状、記念品を受け取った。

 功労スポーツマスターは、日本スポーツ界の発展のために著しい貢献をした功績をたたえる称号で、受章者は古賀さんで13人目。式典を終えた颯人氏は「父も私も日本体育大学でお世話になったので、このような名誉のある賞を頂けてうれしく思います」と神妙な面持ちで述べた。

 改めて古賀さんがどんな父親だったかについては「一言、優しかった」ときっぱり。自身は現在慶応高で教員、また柔道部副部長を務めていることから「私も柔道を通して人を育てていく中で、単に強いだけではなく、人の役に立てるような、優しい人材を育てたい」と気持ちを新たにした。

 競技者としても柔道を続けていくが、今後の目標に関しては「父は最後まで病気と闘ってくれた。私もさらに上を目指して、目の前の大会を1つ1つ全力で戦い抜く気持ちです」と、古賀さんの写真の前で誓いを立てていた。