24日にがんのため亡くなったバルセロナ五輪柔道男子71キロ級金メダルの古賀稔彦さん(享年53)の通夜が28日、神奈川・川崎市内の寺院で行われた。戒名は「柔よく剛を制す」から「剛」「柔」「制」、金メダルの「金」、名前から「稔」を取り、「日本柔道に貢献された」との意味の「金剛院献柔稔制大居士(こんごういんけんじゅうねんせいだいこじ)」。

 山下泰裕全日本柔道連盟会長(63)を始め、同五輪男子78キロ級金メダルの吉田秀彦氏(51)、同じく男子95キロ超級銀メダルの小川直也氏(52)らの柔道関係者、また同五輪女子200メートル平泳ぎ金メダルの岩崎恭子氏(42)、競泳男子五輪4冠の北島康介氏(38)など約3000人の弔問客が改めてその死を悼んだ。

 取材に応じた山下氏は「心技体の全てが素晴らしい選手でした。まだまだ柔道界でやり残したことがたくさんあったと思います」と早すぎる死を惜しみ「残念ですが、天国から彼の教え子たちの活躍を楽しんでもらえたらと思います。日本柔道も東京2020で古賀稔彦さんに上からほほー笑んでもらえるように頑張っていきたいです」と気持ちを新たにした。

 また国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長からは追悼のメッセージが届けられた。バッハ会長は「古賀稔彦氏が亡くなられたことを知り、大変残念に思っております。この悲しみの瞬間に言葉で慰めることはできませんが、オリンピック・コミュニティーがご家族と一緒になって、このような偉大なアスリートの死を悼んでいることが慰めになることを願っています。心よりお悔やみ申し上げます」と哀悼の意を表した。