柔道のバルセロナ五輪男子71キロ級金メダリストで“平成の三四郎”こと古賀稔彦さん(享年53)が24日朝に死去したことを受けて、全日本柔道連盟(全柔連)で強化委員長を務める金野潤氏(54)が取材に応じた。

 この日の朝、訃報を聞いたといい「ご病気なのは知っていたが、快方に向かっているというような話も聞いていたので、本当にびっくりして、残念な気持ちでいっぱいです」と死を惜しんだ。

 古賀さんとは一つ違いの同世代だったこともあり、昔から互いに切磋琢磨する仲だった。

「中学から私も(柔道私塾の)講道学舎に通っていた時期があって、彼が白帯、僕が茶帯と、黒帯になる前から一緒に道場で稽古をしてきた。国体でも同じチームだったり、いろんなところで一緒に柔道をした仲間だったので、本当にあまりにも早すぎるなと」

 付き合いも長かっただけに、思い出に残っていることは多いというが「いつも冗談を言っているような人間で、明るいイメージしかない」と思い浮かぶのは楽しいことばかり。「残念ではあるけれども、暗いのは好まないと思いますから、彼がやってきてくれた日本柔道界を少しでも良くしていけるように精いっぱい頑張っていきたいなと。それが一番の供養じゃないかなと思います」と気丈に語った。

 また互いに指導者という立場になると、試合会場で顔を合わせるたびに話をしたというが、指導についてはほとんど話した記憶がないという。

「本当に関係ない、しょうもないことばかりしゃべっていて、笑い話ばっかりだったですから。朝聞いて、実感がわかないというか、あんなに強い元気な男が、こんなに早くいなくなってしまうというのは残念です。心からご冥福をお祈り申し上げます」と、まだどこか信じられないという様子で追悼した。