五輪に向けたそれぞれの新たなスタートだ。柔道のグランドスラム(GS)タシケント大会(3月5~7日、ウズベキスタン)に出場する日本選手団が27日、羽田空港から出発。女子78キロ超級代表の素根輝(20)が出国前取材に応じ、心境を語った。

 柔道の五輪代表第1号を決めた2019年11月のGS大阪大会以来、実に1年4か月ぶりの実戦。焦る部分もあったというが「しっかり気持ちを入れて一戦一戦という気持ち。不安もあるが、今どこまでできるか試したい」と腕をぶす。

 練習ではケンカ四つの大きい相手を意識したという。「つり手で組み負けると自分の技が出せない。技をかけられる位置に持ってこられるようにやっていた」と外国勢対策も入念にこなしてきた。

 五輪に向けて大事な一戦と捉えており「調子は試合をしてみないと分からないところもあるが、いつも通り全力で戦って優勝したい」と意気込んだ。

 また、70キロ級代表の新井千鶴(27=三井住友海上)は、昨年2月のGSデュッセルドルフ大会以来の大会。「自分がどれぐらい鈍っているか分からないが、上を見すぎず、目の前の相手と戦いたい」と静かに闘志を燃やす。

 今大会のテーマについては「(コロナ禍で)先は読めないのでこの機会を大切にして、感覚をつかみながら五輪につながるような大会にしたい」と夢舞台を見据えた。