柔道全日本女子の南條充寿監督(42)が8月の世界選手権(ロシア・チェリャビンスク)に進退をかける意向を示した。

 14日、都内で強化合宿を公開した南條監督は2年契約が切れる来期の続投について、世界選手権の結果を重視することを表明。「結果は問われると思っています。自分の中で(進退ラインは)なきにしもあらず。あとは上が決めること」と険しい表情で話した。

 昨年、暴力・パワハラ問題で辞任した園田隆二前監督(40)の後を継ぐ形で就任したが、昨年の世界選手権では22年ぶりの金メダルゼロの屈辱。惨敗には騒動の影響があったとする声も多かったが、今年はそうはいかないとの思いがある。

「金メダルがないなら厳しい。それは覚悟している。しがみつくつもりはない」と南條監督は本紙に断言。万が一、同じような成績になれば辞任も辞さない構えだ。

 強化委員会は女子だけで金メダル3個を目標に設定。この数字の達成が南條監督の進退ラインに直接、結びつくことはないが、責任の所在を明確にした格好だ。

 合宿初日には斉藤仁強化委員長(53)も「昨年の世界選手権は覇気がなかった。攻め切るとか、イチかバチかの勝負ができなかった」と選手にゲキを飛ばした。反省を踏まえ、合宿では新たな取り組みにも着手。サンボの元全日本王者・松本秀彦氏(41)を招き、関節技や寝技の強化に乗り出した。不退転の決意でタクトを振るう南條監督が、女子柔道をよみがえらせるか。