柔道全日本男子代表の井上康生監督(35)が、世界選手権(8月、ロシア・チェリャビンスク)の〝キーマン”に中量級の新鋭を指名した。

 5日、東京都内で合宿を公開した井上監督は、世界選手権の目標について「昨年以上の結果を残していきたい」と表明。昨年は軽量級が金メダル3個を獲得したが「世界の情勢からすれば、前の階級は力を持っている」と軽量級への信頼は変わらない。

 そして他の階級の奮起を促し、とりわけ81キロ級の永瀬貴規(20=筑波大)、90キロ級のベイカー茉秋(ましゅう=19、東海大)の新戦力には「高校時代から(2016年)リオデジャネイロ五輪に期待されていた選手。十分に力は持っている。今年の世界選手権から世界のトップを目指しながら力をつけさせたい」と〝即戦力”としての活躍を期待する。

 合宿では技術の修得だけでなく、意識改革にも着手。代表としての自覚、誇りを身につけさせるため、練習の30~40分前には過去の世界選手権の映像を道場で上映しているという。「ウォーミングアップしながら見れるよう、毎回流している」(井上監督)。

 代表の若返りは、全体の活性化にもつながる。「16年に向け、若い世代が出てくるのは非常にいいこと。常に競わせながらオリンピックに向かわせたい」と井上監督は目を光らせた。