柔道の世界ランキング上位者らで争う国際大会「ワールドマスターズ」(カタール・ドーハ)を終え、帰国した男子の井上康生監督(42)が16日、オンライン取材で今後の強化プランについて言及した。

 日本勢にとっては昨年2月のグランドスラム・デュッセルドルフ大会以来、11か月ぶりの国際大会となった今大会では100キロ超級代表の原沢久喜(28=百五銀行)、90キロ級代表の向翔一郎(24=ALSOK)がともに初戦の2回戦で一本負けと、五輪代表選手が結果を出せなかった。

 この点に関しては「厳しい結果になったが、ある意味スタート。大きな経験にはなったと思うので、得たものを次につなげたい」と前を向く。

 また右肩を負傷したとみられていた原沢について「肩ではなく、わき腹というか、肋軟骨あたり。大事には至っていないと思うので、医師の診察を受けた上で、1日でも早く現場に復帰してほしい」とエールを送った。

 100キロ超級で優勝した五輪2連覇のテディ・リネール(31=フランス)ら、復調気配の選手が見られたが「五輪に向けての過程に過ぎないので、さらに上げてくる」と危機感を強める。

 その上で「この環境で厳しい部分はあるが柔軟性を持って物事を決めないといけない。我々は様々なことを想定して緻密にやっていかなければならない集団。許される限りのことを積極的に取り組んでいきたい」と先を見据えた。