全日本柔道連盟の強化委員(女子担当)に就任した“平成の三四郎”古賀稔彦氏(46)が、世界選手権(8月、ロシア・チェリャビンスク)での女子復活に太鼓判を押した。

 就任2年目の南條充寿監督(41)は20日の会見で「金メダル3個が目標です。これが報道によって選手の耳にも入っていくだろうから、それをエネルギーにしてもらいたい」と話した。ただ、昨年の世界選手権は暴力問題の影響もあり、女子は個人戦で金メダルゼロの屈辱に終わった。急な高いハードルの設定は、エネルギーどころか選手に必要以上のプレッシャーを与えかねない。

 しかし、かつて女子コーチを務めた古賀氏は「昔なら(重圧に)なった」と前置きしつつも、この見方を否定。「今の時代の感じだと、そこまで厳しくはない。現代っ子というのもあるし、そう言うほど、選手は危機感とか感じていない」

 背景には代表チーム全体の変化もあるという。「ボクたちの時代は男社会ですから。監督、コーチの危機感も選手にビンビン伝わった。今はもう優しい感じです。こういう時代はナチュラルな雰囲気で」。昨年から始まった全柔連の改革により現場の指導体制も一新された。女性の強化委員も増え、風通しはよくなっている。一見、無謀なように見える目標も重荷にはならないという。

 代表の力を十分に引き出すためには時代に合った意識付けやサポートが必要。「金メダル3つを踏まえた上でのプラスアルファを目指すということ」。世界選手権に向け三四郎の手腕も注目を集めそうだ。