2012年ロンドン五輪柔道男子73キロ級銀メダルの中矢力(31)が14日、今年限りで現役を引退することを発表した。所属のALSOK柔道部が明らかにした。今後は同部のコーチとして後進の指導にあたる。

 愛媛県出身の中矢はロンドン五輪前年の世界選手権パル大会を制し、グランドスラム(GS)も連勝。五輪直前の全日本選抜体重別選手権では大野将平を破って初制覇し、代表に内定した。五輪本番では寝技を駆使して決勝まで勝ち上がり、最後はロシアのイサエフに敗れて金メダルは逃したものの、堂々の銀メダル。14年には2度目の世界選手権制覇を成し遂げた。

 引退にあたり、中矢は「最高の環境の中で様々なライバルたちと切磋琢磨しながら柔道家として成長させていただけたことに、今は感謝の思いでいっぱいです」とコメント。ロンドン五輪の銀メダルで精神的に成長できたことを語った上で「今後は柔道界に恩返しできるよう、私を導き、成長させてくださった先生方のような愛情あふれる指導者になりたい」と指導者としての目標も掲げた。