柔道の新旧世界王者の丸山城志郎(27=ミキハウス)と阿部一二三(23=パーク24)が争う男子66キロ級の東京五輪代表最終選考会に改めて注目が集まっている。
現状ではグランドスラム(GS)東京大会(12月11~13日、代々木第一体育館)が選考の場となるが、全日本柔道連盟の金野潤強化委員長(53)は新型コロナウイルス禍の状況で開催不可となった際には「1試合だけになる」と、本紙既報通りワンマッチでの決定戦になると明言した。会場についてはまだ未定とし、仮に選考会直前に両者のどちらかが感染、または濃厚接触者に認定された場合には、さらなる延期も示唆しつつ「五輪を考えて『もう延ばせない』となったら不戦勝という可能性もある」と慎重な口ぶりで語った。
一方で今月上旬に阿部の母校、日体大柔道部でクラスターが発生。稽古状況への不公平感が懸念されるが、大丈夫なのか。この点について所属のパーク24関係者は「阿部選手はコロナ騒動以来、ずっとうちで稽古をしている。日体大さんへの出入りもなく問題ない」と話し、影響がないことを強調した。阿部は全柔連の練習再開指針に沿って、打ち込みを中心に日々汗を流しているという。
残り約3か月、感染予防に神経を使いながらの稽古はメンタル面での負担が大きく、両者の“真の強さ”が問われる。果たして最終決戦はどんな結末を迎えるのか。