ケタ外れのパワー!日本柔道重量級の救世主か

2013年12月01日 16時00分

名前通り精悍な顔つきのウルフ
2020東京五輪 本紙イチ押しヒーロー&ヒロイン

 

 柔道男子で将来を嘱望されるのは100キロ級のウルフ・アロン(17=東海大浦安高3年)だ。

 

 父が米国人のハーフ。日本人離れしたパワーで「高校最強」の称号をほしいままにしている。柔道を始めたのは小学校入学直前の3月。母方の祖父に勧められ“柔道の総本山”講道館(東京・文京区)の春日柔道クラブの門を叩いた。恵まれた肉体を武器に頭角を現し、注目される存在に。

 

 主戦場は100キロ級だが、今年のインターハイでは100キロ超級で優勝した。「リオはまだ早い」と2016年リオデジャネイロ五輪は考えず、20年東京五輪出場に照準を合わせる。「ボクは生まれも育ちも新小岩。地元で開催されるのは親戚の人たちもいるし、すごくうれしい。一つひとつ勝っていけば、オリンピックにつながる」

 

 印象に残っている五輪の記憶は2つある。現在、全日本男子の監督を務める井上康生氏(35)が2000年シドニー五輪100キロ級決勝で内股を炸裂させた場面。同じく全日本重量級コーチを担当する鈴木桂治氏(33)が04年アテネ五輪100キロ超級決勝で、小外刈りで一本勝ちしたシーンだ。「中学に入って、柔道にだいぶ興味を持ち始めからユーチューブで見て、すごいなと」と衝撃を受けた。

 

 自身の柔道もパワーを生かした豪快な勝ち方が持ち味。「技でもそうですけど、相手を力で圧倒したい。日本人の足りないところは力がない。力には技だけでなく、技と力で対抗できる選手になりたい」と理想を掲げる。ベンチプレスで140~150キロを持ち上げる怪力。強豪で知られる同校の練習は週7回で「家にいる時間は寝るだけ」と、まさに柔道漬けの日々を送っている。

 

 英語で「オオカミ」を表す名前は格闘家にぴったり。実は「ウルフ」は名前ではなく、名字だという。「名字はかっこいい。名前だけで相手を威嚇できるかもしれない」とウルフ本人もお気に入りだ。将来は米国代表の可能性もあるが「今のところ日本で考えている」。来春から名門・東海大に進学。まだまだ進化を続ける怪物が低迷するニッポン柔道重量級の救世主となるのか。

 

 ☆ウルフ・アロン 1996年2月25日生まれ、東京都出身。6歳の時、祖父の勧めで柔道を始め、文京区立第一中から東海大浦安高に進学。2012年インターハイ100キロ級3位、今年は100キロ超級で優勝。180センチ。得意技は大内刈り、内股。