柔道・松本薫 野獣の勝負哲学

2013年11月11日 16時00分

 ロンドン五輪柔道女子57キロ級金メダルの松本薫(26=フォーリーフジャパン)が久々に本領を発揮だ。

 復帰戦となった8月の全日本実業個人選手権で3位に終わったが、10日の講道館杯全日本体重別選手権(千葉ポートアリーナ)では優勝。入場時にはロンドン五輪をほうふつさせる気迫がみなぎり、斉藤仁強化委員長(52)も「松本は全開だね」と完全復活に太鼓判を押した。

 

“全開”になったのは、畳の上だけではない。試合後、松本は「今日は本能のままやろうと思ったので、あまり覚えていない…。『指導』取ったんですよね?」と頭を打ったわけでもないのに、意味不明な言葉を繰り返すばかり。この日は敗戦から本来の姿を取り戻すべく「野性の勘100%バージョン」で試合をしたため、記憶がないという。

 

 松本と言えば「妖精が見える」を筆頭に多くの“ぶっ飛び発言”で注目を集めてきた。それだけに好調の証しであることは間違いないが、あまりにわけがわからない。

 

 松本はいったい、何を言いたかったのか? 4月から指導する所属の中橋治美監督が解説してくれた。「本能の話はよくします」と前置きした上で「ライオンはお腹がすいたと思って獲物を狙ってないと思うんですよ。狙える時って本能が出る。サソリを触ったら刺されるのと一緒。考えて技を出すんじゃなく、本能で技を出すということ」。つまり、松本ならではの「勝負哲学」を披露した…ということだ。

 

 松本は理想の形を「野性の勘と人間の勘、半分半分」と告白。柔道界に主役が戻り、次戦の「グランドスラム東京」(29日開幕、東京体育館)からも目が離せない。