丸山VS一二三 柔道男子66キロ級代表決着への高いハードル

2020年07月03日 16時30分

丸山城志郎(左)と阿部一二三(右)

【どうなる?東京五輪・パラリンピック(75)】すんなり決着となるのだろうか。全日本柔道連盟は、新旧世界王者の丸山城志郎(26=ミキハウス)と阿部一二三(22=パーク24)が激しく争う男子66キロ級の東京五輪代表最終選考会を、グランドスラム(GS)東京大会(12月11~13日)とする方針を示した。2人は約5か月後の決戦へ向けて調整に入るが、実現への課題は山積みだ。

 柔道の男女14階級中、唯一代表が決まっていなかった男子66キロ級で、ようやく決着のめどが立った。関係者によると、両陣営は試合日まで半年ほどの練習期間確保を望み、来夏に延期された東京五輪への準備も考慮し年内実施を求め「一番はGS東京」との結論で一致したという。

 だが、この方針には不確定要素が多い。新型コロナウイルス禍の影響で2人とも乱取りなど本格的な稽古を再開できていない。しかも丸山は奈良の天理大、阿部は東京の日体大などを拠点としており、地域差で感染状況が大きく異なる。全柔連は練習再開に厳しい指針を策定しており、金野潤強化委員長(53)は「稽古のステップがだいぶ違ってくる。(試合までに)不公平感が生まれる懸念がある」と口にする。

 さらにGS大会は国際柔道連盟(IJF)が主催する国際ツアーだ。今後、コロナの第2波、第3波が到来すれば、多くの海外勢が毎年参加するGS東京大会自体が開催できなくなる可能性が高い。また、いずれかが故障などで欠場した場合、選考方法をどうするか。4月から延期された全日本選抜体重別選手権が講道館杯(10月31日~11月1日、千葉ポートアリーナ)を兼ねて開催されることも検討されているため、この大会とGS東京を連覇する選手が出た際にはどうなるのかなど、課題だらけだ。

 バルセロナ五輪95キロ超級銀メダルの“元暴走王”小川直也氏(52)はこう指摘する。「現状で2人は練習できていないんでしょ。東京の感染者はまた増えているんだし、12月に大会自体、本当にやれるのかって話だよ。それなら、全柔連の指針に従って2人が本格的に稽古を再開してから、両陣営の望む半年を空けて決戦とするほうが無理はないんじゃないの」

 その上で「来年、レスリングみたいにプレーオフで直接対決の頂上決戦をやればいい。そのころなら五輪(開催)もどうなるかわかっているでしょ。試合は五輪直前になって(本番への)準備期間が短くなるかもしれないけど、そっちのほうが(不公平感がなく)2人ともすっきりするんじゃない?」と緊急提案した。

 金野委員長は「柔軟に構え、二の矢、三の矢を考えていかなければ」と所見を述べたが…最終決戦の行方はまだまだ見通せない状況だ。