全日本柔道連盟(全柔連)の金野潤強化委員長(53)が22日、五輪代表選手の強化活動についての方針を明らかにした。

 新型コロナウイルスの感染拡大が小康状態にある中、全柔連は代表選手による強化合宿が、早ければ6月中に実施される可能性を示唆していたが、金野氏は「選手、並びに関係者のPCR検査が完了していない」との理由で難しいと判断。東京都柔道連盟(都柔連)の練習再開フェーズを鑑みた上で、「希望的観測だが、7~8月あたりになるのでは」との見通しを示した。

 試合に関してはIJFが9月からの国際大会再開方針を発表したが、「まずは選抜(体重別選手権)や、全日本選手権の国内大会が開催できれば」との考え。

 丸山城志郎(26=ミキハウス)と阿部一二三(22=パーク24)が激しい争いを続ける男子66キロ級の選考大会については「両サイドの状況を聞きながら日程を詰めている。来週、大会運営会議があるので、詳細が発表できる運びになると思う」と明かした。

 また男子90キロ級代表の向翔一郎(24=ALSOK)が、ユーチューブで柔道関係者を中傷する動画を投稿。週刊誌に報道された問題に対しては、本人に口頭で厳重注意を行ったといい「代表の影響力は普通の人間とは全く違う。みなさまに不快な思いをさせてしまった。強化委員長として深くおわびしたい」と陳謝した。

 SNSなどの使い方については講習会を行い指導はしていたということだが、明文化したルールは設けていなかったということで「これを機に明確なガイドラインを考えていきたい」との考えを示した。