天理大柔道部お粗末すぎる処分内容

2013年09月07日 11時00分

無言で全柔連から引き揚げた藤猪省太部長

 天理大学柔道部で起きた暴行問題の波紋が広がり続けている。世界選手権リオ大会73キロ級優勝の大野将平(21)も現場に居合わせていたことで、全日本柔道連盟が処分するかどうか注目を集めているが、5日に発表された天理大の処分内容は実にお粗末なものだった。

 藤猪省太部長と土佐三郎監督は全柔連への報告に出向いたため欠席。山田常則副学長と鈴木光事務局長が出席して行われた会見では「柔道部の無期限活動停止」、暴行した4人の部員については「30日間の停学」、現場にいて暴行に加わらなかった大野ともう1人の4年生には学長からの「厳重注意」となることが発表された。また藤猪氏は「部長」、土佐氏は「監督」、大野は「主将」を5日付で解任された。

 だが、「部の活動停止」の意味合いは非常にあいまい。処分を受けた学生からは「大学の施設は使えるのか」「どの範囲まで練習をしていいのか」などの質問が出てくるが、大学側は「学内のトレーニングルームを使うことはダメとは言えないけど、他についてはどこまで認めるかをこれから決める」(鈴木事務局長)と、肝心な点が議論されていないという。

 しかも、大野のように全日本の強化選手としての活動がある選手もいる。しかし処分が話し合われたこの日の全学協議会では、議題にすら上らなかったという。

 さらに土佐監督は暴行事件の現場となった寮の「寮監」を務めているが、この職務は継続。同監督は8月20日から「自宅謹慎」となっているにもかわわらず、8月31日の全日本実業個人選手権で大学OBの野村忠宏(38)のセコンドについた。だが、大学側はこれも「全く知らなかった」というからあきれる。

 この日、全柔連に提出した報告書も「事件に至った背景が不明瞭」として突き返された。これについても、会見に臨んだ2人は把握できていなかった。とりあえず体面を取り繕うために下されたような処分では、さらなる混乱を招きそうだ。