【柔道】阿部一二三 ライバル・丸山撃破へ新たな武器

2020年02月18日 16時40分

出発前に取材対応する阿部一二三

 柔道男子66キロ級の阿部一二三(22=日体大)が逆転代表入りへ虎視眈々だ。グランドスラム(GS)デュッセルドルフ大会(21~23日、ドイツ)には、激しい東京五輪代表争いを続ける昨年の世界王者・丸山城志郎(26=ミキハウス)と同時派遣される予定だったが、丸山が左ヒザの故障で欠場。「(丸山が)欠場しても自分がやることは一つ、優勝を目指すだけ」と力を込める阿部は、変わらない姿勢とともに“変化の兆し”も垣間見せた。その意味とは――。

 阿部は一昨年まで世界選手権2連覇を果たし、一時は完全な“1強状態”だった。五輪切符は間違いなしと思われたが、丸山が一気に台頭。阿部は2018年11月のGS大阪大会から直接対決で3連敗を喫し、立場が逆転してしまった。

 しかし昨年11月のGS大阪では決勝で丸山を激闘の末に破って優勝。代表争いに踏みとどまり、持ち味の前に出る攻撃柔道を貫いて勝利したことで、自信も取り戻した。

 17日にドイツに向け成田空港を出発した阿部は「自分の『一本を取る柔道』で、圧倒的に優勝する」といつも通りの姿勢で意気込んだ。その一方で、重点的にやってきたことに関しては「足技をもっともっと効かせてという、細かい部分」と話した。

 これまで丸山に対しては3勝4敗。その3勝のうち2勝は、17年12月のGS東京で大内刈り、昨年のGS大阪で支え釣り込み足と足技で勝っている(もう1勝は反則勝ち)。その強い体幹で、どんな体勢からも投げを打つことができる阿部は常に背負い系の大技にこだわりを見せてきたが…やはりライバル対策として結果が出ている足技を強化しているということなのか。

 この点に関して、妹の阿部詩(19=日体大)の高校時代の恩師で、小学生時代の阿部を指導した夙川学院高の松本純一郎監督(51)は「あの子は器用なんです。だから、あまり研究はしない」ときっぱり。続けて「最低限『頭の中に入れてやる』と。それで勝つというより『引き出しを増やす』というだけの話だと思います」と指摘した。「丸山選手なんか、考えて放れるような相手じゃないですよ」とも笑うが、丸山の警戒の幅を広げさせることができれば「前に出る」自分の形に持ち込みやすい。“怪物”が新たな武器を増やしたことは間違いないだろう。

 東京五輪代表に向けては、今大会での優勝が大前提。最終選考会として行われる全日本選抜体重別選手権(4月4、5日、福岡国際センター)での丸山との最終決戦に持ち込み、完全復活ののろしを上げるつもりだ。