柔道の五輪代表選考会であるグランドスラム(GS)大阪大会初日(22日、丸善インテックアリーナ)、女子52キロ級で世界選手権2連覇の女王・阿部詩(19=日体大)は今大会で優勝すれば、五輪切符を獲得する可能性があったが、決勝で敗れ、代表入りはお預けとなった。

 準決勝は2017年世界女王・志々目愛(25=了徳寺大職)との新旧女王対決。互いに手の内を知るだけに、一進一退の攻防が続いたが、3分過ぎに内股すかしを決め、ここまでオール一本勝ちで決勝進出を果たす。

 だが決勝で落とし穴が待っていた。18年世界選手権銅メダルのアマンディーヌ・ブシャール(24=フランス)戦は今大会で初めての延長に突入。すると7分40秒、肩車を決められて技ありを喫した。

 まさかの敗戦に人目をはばからず号泣した詩は「肩車が来るのは分かっていた。先に前に出ていればかからなかった。何かが甘かったと思うので冷静に考え直したい」と肩を落とした。

 一方、男子66キロ級決勝では、代表争いで崖っぷちにあった兄・一二三(22=日体大)が決勝でライバル丸山城志郎(26=ミキハウス)を破り、優勝して意地を見せ「うれしい。絶対に引かないという気持ちでいった」と語り、「まだ(丸山に)並んだわけじゃない。これからも全部勝つ」と気を引き締めた。