【柔道世界選手権】向 痛恨銀も五輪にチャンスあり

2019年08月30日 16時30分

向はファントエント(手前)の小外刈りで技ありを奪われ無念の銀メダル

 逃した魚は大きかった…。東京五輪プレ大会の柔道世界選手権第5日(29日、東京・日本武道館)、男子90キロ級の向翔一郎(23=ALSOK)が銀メダルを獲得した。

 個人戦代表としては初出場の大舞台。決勝の相手は優勝した昨年11月のグランドスラム大阪大会と同じノエル・ファントエント(27=オランダ)だったが、残り33秒、小外刈りで技ありを取られた。必死の反撃も及ばす、そのまま試合終了。泣き崩れた向は「何であと一歩攻め切れなかったのか。詰めが甘いというか、自分にムカつきます」と悔やんだ。

 7月のグランプリ(GP)・ブダペスト大会で左足を負傷。中足骨骨折と診断されたが「自分の回復力は普通とは違う。1か月かかるところを1週間で治す」と“超人”宣言。その言葉通り、ケガの影響を感じさせない動きで勝ち進んだものの、あと一歩で世界一の座を手にできなかった。

 ただ、五輪代表争いへの影響は大きい。この階級にはリオ五輪金メダルのベイカー茉秋(24=日本中央競馬会)、昨年世界選手権3位の長沢憲大(25=パーク24)ら強豪がひしめく。ベイカーは1月に右脚、5月には腰を痛めるなどケガに悩まされてきたが、7月のGP・モントリオールで優勝して復活気配だ。

 今大会では、向がGP・ブダペストで敗れた世界ランキング1位のニコロズ・シェラザジシビリ(23=スペイン)が3回戦で敗退。優勝するには千載一遇の大チャンスだっただけに、ここでライバルに差をつけておきたいところだったが…。

 柔道出身の総合格闘家で“バカサバイバー”こと青木真也(36)も「もったいなかったね」。一方で「でも彼、実は鉄人なんじゃないかな。この階級で外国の巨人相手に互角に組み合えていたし、決勝も差はなかった。逆に五輪にチャンスがある」と来年の本番に向けてエールを送った。

 向も「ファントエントには五輪決勝で勝ちたい」ときっぱり。来年、同じ日本武道館で輝きを放つべく、まずは群雄割拠の代表争いを勝ち抜く覚悟だ。