【柔道世界選手権】骨折から“超回復”の向翔一郎は涙の銀「自分にムカつきます」

2019年08月29日 22時46分

表彰式で涙を流した向

 柔道の世界選手権第5日(29日、東京・日本武道館)、男子90キロ級で初出場の向翔一郎(23=ALSOK)が銀メダルを獲得した。

 7月のグランプリ・ブダペスト大会で左足を負傷。「中足骨骨折」と診断されたが「自分は普通の人間ではないので、回復が早い。普通が1か月ぐらいだったら、1週間くらいで治します」とドラゴンボールの孫悟空ばりの“超回復”で今大会に臨んだ。

 初戦で得意の背負い投げで一本勝ちを収めると、4回戦でも背負い投げを決めた。準々決勝では、前回大会銀メダリストのイバン・フェリペ・シルバモラレス(23=キューバ)を8分17分の激闘の末に小内巻き込みで下し、ガッツポーズを見せた。

 準決勝も延長に突入したが、相手に疲れが見えたタイミングで3つ目の指導が与えられ、向の反則勝ちが決まった。

 初優勝を懸けた決勝のノエル・ファントエント(29=オランダ)戦では、序盤から向が肩車や小内刈りを繰り出して、試合を優位に進めた。しかし、残り1分21秒で試合が一時中断すると、流れが変わった。残り33秒、小外刈りで技ありを奪われた。最後に2つ目の指導をつけるが、万事休す。初Vとはならなかった。

 試合直後から大粒の涙を流した向は「詰めが甘かった。自分にムカつきます」と悔しさをにじませた。

 今後に向けては「来年は今日みたいなことが起きないようにしたい。圧倒的な力をつけて戻ってきたい」とリベンジを誓った。

 孫悟空も負けを重ねて成長してきた。向もこの試合の経験を力に変え、向オリジナルの“元気玉”で東京五輪の頂点まで駆け上がるつもりだ。