柔道の世界選手権(8月25日開幕、東京・日本武道館)女子52キロ級で2連覇を狙う阿部詩(18=日体大)が7日、国際合宿先のスペインから成田空港に帰国した。

 長時間のフライトにも疲れを見せず「海外選手の柔道、力の強さというのをすごく感じた。課題も見つかったので、すごい充実した合宿になった」と総括。出発前からテーマに挙げていた海外選手との練習によって「日本人選手とは違うやりにくさや、自分が何をしないといけないのかを実感できた。今この時期に組めてよかった」と収穫を語った。

 ところが、“想定外”の事態にも見舞われた。参加予定だったリオ五輪同級金メダリストのマイリンダ・ケルメンディ(28=コソボ、顔写真)が最後まで合宿に姿を見せなかったのだ。詩は「練習ができるチャンスだったので残念だった」とポツリ。未対戦の五輪女王が世界選手権で最大のライバルになる可能性は高く、たとえ手の内を隠した状態でも国際合宿で“下見”をしたかったのが本音だろう。

 さらには「(同級選手の)人数が少なかった」とも。ただ、手をこまねいているわけにもいかない。残された期間でもケルメンディと同じ左組みの選手と練習するなど「コンディションを整えながら自分の柔道の質をもっと高めて、一つひとつの技の切れを上げていく」ときっぱり。国際大会の経験豊富な五輪女王に“ぶっつけ本番”で対応できるか、2連覇へのカギになりそうだ。