五輪連覇へ復活ののろしだ。柔道の全日本実業団体対抗大会(9日、群馬・高崎アリーナ)、男子1部ではリオ五輪90キロ級金メダルのベイカー茉秋(24)を擁する日本中央競馬会が2年ぶり5度目の優勝を果たした。賀持道明監督(49)は「完封勝利を目指して対策を徹底的に練って、それが生きた」とホクホク顔。今年の世界選手権(8月25日開幕、東京・日本武道館)代表の座を逃したベイカーには、3位に終わった4月の全日本選抜選手権後に「つきっきりで見てほしい」と言われ、組み手のスピードの部分を詰めてやってきたという。賀持監督は「状態は上向いている。闘争心が出てきた」と期待を寄せる。

 実際、今大会では3試合で1勝2引き分けだったものの、切れのある動きを見せた。リオ五輪後には燃え尽き症候群に陥った時期もあったというが、ベイカーは「東京五輪に向けては今年が一番勝負だと思っている。体も気持ちも戻ってきた。次戦のグランプリ・モントリオール(7月5~7日、カナダ)も勝ち切りたい」としっかりと前を見据える。金メダリストの覚悟は決まった。