“絶対女王”になって五輪も決める! 柔道の世界選手権(8月25日開幕、東京・日本武道館)で2連覇を目指す女子52キロ級の阿部詩(18=日体大)が、中国で行われたグランプリ・フフホト大会で優勝を果たし27日、成田空港に帰国した。

 左肩痛の影響もあり実戦は昨年11月のグランドスラム(GS)大阪大会以来、約半年ぶりとなったが「急いで試合に合わせた部分があって、自分が思い描いていた技は出せなかったが、優勝できて良かった」とホッとした表情を見せた。

 2016年末からシニアの国際大会で対海外勢に28連勝と圧倒的な成績を残しているものの、リオ五輪金メダルのマイリンダ・ケルメンディ(28=コソボ)とは未対戦のまま。昨年の世界選手権はケルメンディがケガで出場していなかったため、連覇には五輪女王を倒すことが避けては通れない道となる。

 さらにこの日、全日本柔道連盟は常務理事会を開き、来年の東京五輪の代表選考方針を固めた。選手の準備期間確保へ向けて3段階に分けられており、最も早い第1段階では世界選手権優勝者が11月のGS大阪大会を制し、強化委員会で出席者の3分の2以上の賛成を得れば代表入りが決定するという。

 今大会ではブランクによる故障再発の怖さもあったというが、詩は「自分のやるべきことをしっかりやれば、ケガをしていても大丈夫」とさらに自信を深めた。混戦と言われた52キロ級で完全に頭一つ抜け出した格好。まずは世界選手権で初顔合わせとなるケルメンディを倒した上で、東京五輪代表第1号の座を狙う。