【柔道】現役引退を正式発表 松本薫のズバぬけた指導力

2019年02月05日 16時30分

畳を去ることを決めた松本。「ママでも金メダル」はならなかった

 野獣の「指導能力」は――。柔道の2012年ロンドン五輪女子57キロ級金メダリストの松本薫(31)が4日、所属先のベネシードを通じて現役引退を正式に発表した。

 ロンドン五輪では男女を通じてニッポン柔道唯一の金メダルを獲得し、柔道母国の救世主となった。“天然系”の発言と「野獣」の愛称で一躍人気者に。16年リオ五輪では銅メダルを手にしたが、昨年11月の講道館杯で1回戦敗退。20年東京五輪代表の座が絶望的になり、第一線を退く意向を表明していた。

 7日には都内で引退会見を開く予定だが、関係者からは早くも“名指導者”への期待が寄せられている。「教えるのがものすごくうまい。特に子供たちの気を引くのが上手。温かみのある指導というか、技の一つひとつをちゃんと教えられる。コーチとしての才能はすごくありますよ」と話すのは帝京大時代から松本を知る、元同大柔道部総監督の鳥海又五郎氏だ。

 松本は17年6月に第1子の長女を出産したが、それ以前から少年少女の柔道指導には抜群の才能を見せていたという。

 その指導には信念があるとか。「私が道場で部員を指導していたとき、隣にいた彼女が『人に言われてやるのは稽古ではない。自分からやるのが稽古』と聞こえるようにつぶやいたんです。その通りなんですが、それを聞いてガクッとなりました(笑い)」

 松本にとって、全日本柔道連盟の事務局長も務めた鳥海氏は柔道界の大先輩だが、いかにも野獣らしいエピソード。「東京五輪が無理とわかったら、スカッと辞めるのは彼女らしい。その功績は大きいですし、今後も柔道界に貢献してほしい」(鳥海氏)とエールを送られた野獣はどんな第2の人生を歩むのか。