柔道女子78キロ超級の田知本愛(29=ALSOK)が現役引退を発表した。

 所属を通じてコメントを出し「柔道を続ける中で、たくさんのハードルがあり、弱気になり、諦めそうになったことが何度もありました。自分一人では乗り切ることができなかったハードルもありましたが、多くの方に支えていただきながら、自分が納得するまで柔道を続けることができました」と関係者への感謝をつづった。

 また、キャリアの中で最も印象に残るシーンには、2016年4月の全日本女子選手権大会で左ヒザを負傷してから、1年後に同大会を迎えるまでの過程を挙げた。

 田知本は同大会決勝で敗れ、有力とされたリオ五輪出場を逃した。「大きな目標を失い、もう一度、畳に上るまで何度も自分のなかで葛藤し、とても苦しく厳しいと感じていました」ともがき苦しんだ。

「しかし、いま振り返ってみると、どれも自分を成長させてくれる貴重な経験だったと感じ、何より柔道を楽しむことができました」と試練をプラスに変えることができたという。

「今後は、これまで以上に自分を支えてくださった方々に感謝し、何らかの形で柔道に携わっていけるよう邁進して参ります」と畳への恩返しを約束した。

 田知本はリオ五輪女子70キロ級金メダルの田知本遥氏(28)の姉。長年、女子の最重量級を引っ張り、業界の発展に貢献した。