グランドスラム大阪大会初日(23日、丸善インテックアリーナ大阪)、女子52キロ級決勝では阿部の妹、詩が過去3戦全敗の角田夏実(26=了徳寺学園職)に延長戦の末、3つ目の指導を奪って反則勝ち。9月の世界選手権に続く優勝を決め、来年の世界選手権代表(8月、東京・日本武道館)の座を内定させた。

 決勝はこれまでの攻撃的な柔道と違い、慎重な姿勢が目立ったが「勝つという柔道に徹した。がむしゃらにいくのが取りえだったけれど、しっかり守るところは守るということ」と胸を張った。これには女子代表の増地克之監督(48)も「大人の柔道だった」と納得顔だ。

 指導する夙川学院高の松本純一郎監督は「計算ずくの柔道だった。これが競った試合でできる子だからすごい」と愛弟子の成長に目を細めた。女子52キロ級は「激戦区」と言われるが、試合前に「(激戦区から)抜けて来い!」と指示したという。「私はこれで抜けたと思っています。内定を取ったのは大きい。来年の全日本選抜(予選会)に出なくてよくなりましたから」。東京五輪に向けても、詩のペースに合わせた強化ができることになり、大きな“1勝”となったようだ。