柔道・講道館杯最終日(4日、千葉ポートアリーナ)、リオ五輪男子90キロ級金メダルのベイカー茉秋(24=日本中央競馬会)が復活Vを決めた。

 決勝では学生王者の田嶋剛希(21=筑波大)に先に技ありを奪われる苦しい展開から逆転勝ち。「リオの後は優勝がなかったので、素直にうれしい。ケガをしてから、つらいことが多かったので、ここまで来られて良かった」とホッとした表情を見せた。

 前日まで出場するかどうか迷っていた今大会。昨年4月に手術した右肩に残る痛みをかばううちに、左肩の調子も悪くなったという。「2月に復帰してから思うような結果が出ず、(柔道を)やめようかと思った自分もいた」(ベイカー)

 金メダリストとしてのプライドも邪魔をした…というベイカーを奮い立たせたのは、仲間の活躍だ。休養中にグランドスラム(GS)や世界選手権などをテレビ観戦した際の悔しい気持ちを思い出し、もう一度、初心に戻る気持ちが生まれた。

「チャレンジャーなんだという気持ちになれた。そうすることで勝ち取れるものがあるということが分かったので、GSや世界選手権にぶつけたい」。今大会出場を決意した時には、関係者に「覚悟を決めた」と語った。これはもちろん、東京五輪での2連覇への決意表明にほかならない。