女子70キロ級連覇の新井千鶴を支えた規格外の乱取り=柔道世界選手権

2018年09月25日 16時30分

【アゼルバイジャン・バクー24日発】柔道の世界選手権第5日、女子70キロ級で新井千鶴(24=三井住友海上)が決勝でマリエーブ・ガイー(フランス)に一本勝ちし、2連覇を果たした。

 日本女子の新エースは「去年チャンピオンになってから勝ち切れずに悔しい思いばかりしていたので、本当にうれしい。ほっとして涙が出た」と安堵の表情だった。昨年大会で優勝したが、世界中から研究され徹底マークを受けてきた。国際大会で勝ち切れない時期もあり、環境に行き詰まりを感じたこともあった。だが今は違う。所属で技を磨く一方、合宿を利用して男子との乱取りを積極的に行っている。

「所属だと男性で1人、来てくれる人がいる。長身の人だからお願いしたり、あとは合宿を使って組み合ったりできる。合宿は毎月入るようになっているから割と男子も参加してくれる。そこで結構お願いできる。日大の大きい選手とやったり、代表合宿で先生とやったりします」(新井)

 男子との練習を増やしたことで外国人対策ができるようになり、力負けすることはなくなった。「どうしても外国人は身長がある。基本は大きい人とやるから、そういうイメージをつけるためにも男子とやったほうがいい。男子とやったほうがパワーつくのかなと思ってやっています」。身体的なハンディを補い、1年前よりさらにたくましく、上昇カーブを描いてきた。

 女子日本代表の増地克之監督(47)も「新井はすごく苦しんでの2連覇。涙が全てを物語っている。世界女王の意地を見せてくれた。心技体ともに成長した」と最大級の賛辞を贈った。もちろんゴールはここではない。新井は「東京五輪で一番欲しいものを手に入れるまで必死に頑張りたい」ときっぱり。目指すはあくまで2年後の頂点だ。