【世界体操】白井の個人総合デビュー戦「銅」に世界の視点は

2017年10月07日 12時00分

銅メダルを手に笑顔の白井(ロイター=USA Today Sports)

【カナダ・モントリオール5日発】体操の世界選手権男子個人総合決勝で、予選4位の白井健三(21=日体大)が合計86・431点で銅メダルを獲得した。左足首負傷で棄権したエース内村航平(28=リンガーハット)不在の中、2003年大会から11大会続く日本勢の表彰台を死守。オールラウンダーとして最高のスタートを切ったが、世界は良くも悪くも「内村不在」の話題に集中。“ひねり王子”にとっては、師匠の偉大さを改めて知らされる結果となった。

 個人総合デビュー戦で、見事に表彰台に立った白井は「よく頑張ったと思う」と自分を褒めた。白井はもちろん、金メダルの肖若騰は中国で10年ぶりの個人総合王者に輝くなど、体操界は新鮮な結果に沸いたが、世界の視点は違った。

 米NBC電子版は肖の優勝について「内村不在の中、新たな世界王者に」と報道。多くの中国メディアも新王者誕生を大々的に報道しつつ、内村が負傷で不在という事実は忘れなかった。いずれの国にとっても、内村の復帰後が本当の勝負と見ており、あくまで今回は“暫定王者決定戦”という見識だ。

 さらに今後2020年東京五輪に向け、全体のレベルが上がることが予測されている。五輪翌年の大会は、特に海外勢は本調子で臨まない傾向がある。また、今季からルールが改正され、技の完成度をより厳しく見られるようになった。「今大会でジャッジの傾向が分かってくる。その上で各国とも対策を練ってくる」と日本協会関係者も話しており、今大会は“様子見”。ここから緻密な戦略戦が始まる。

 白井本人も「(新ルールになり)各国の選手が手探り状態。来年から勝てて本物だと思う。油断せずに目の前の航平さんを目指していきたい」と気を引き締めた。弟分の活躍を会場で見守った内村は「メダルの色を分けたのは最後の着地。着地の印象で流れをがらっと変えられるということを伝えたい」と余裕のアドバイス。真の王者になるため、白井が越えなければならない山はまだまだ多い。