リオデジャネイロ五輪体操男子の個人総合金メダリスト内村航平(28=リンガーハット)がキングの貫禄を見せる。

 NHK杯(20、21日、東京体育館)の記者会見が19日に行われ、大会9連覇と個人総合40連勝がかかる内村は「過去の大会でも結果を意識してやってきたことはない。気にしていない」と関心を示さなかった。一方、体操の美しさを細かく分析し「人それぞれの美しさがあるので、体操の醍醐味を見ていただけたらうれしい」と強調した。

 美しい体操が持ち味の内村は、他のトップ選手にもそれぞれの美しさがあるという。「キレの中の美しさは自分にしかないと思う。田中佑典(27=コナミスポーツ)は、しなやかな動きの中に美しさがある。白井(健三=20、日体大)にはまた違った美しさがある」とライバルを分析した。

 世界選手権(10月、カナダ)の代表がかかる大会で勝敗よりも美しさについて語るあたりは王者の貫禄。苦戦したプロ初戦の全日本選手権(4月)と比較しても余裕を感じさせた。内村は「全日本の時よりはキレが戻ってきている」と調子は上向き。持ち前の美しい体操を披露し偉業を成し遂げる。