【ブラジル・リオデジャネイロ8日(日本時間9日)発】体操男子団体決勝で、日本は合計274・094点で2004年アテネ大会以来3大会ぶりの金メダルを獲得した。銀メダルはロシア、3連覇を狙った中国は銅メダルに終わった。

 第1班のあん馬で1人目の内村航平(27=コナミスポーツ)はノーミスの演技を見せ、15・100点の好スコアでスタート。2人目の山室光史(27=同)は落下で1点減点があり13・900点と伸ばせなかったが、3人目の加藤凌平(22=同)がほぼ完璧な演技で14・933点。トップのロシアとは約1・6点差、合計43・933点の6位でスタートした。

 第2班のつり輪は田中佑典(26=同)からスタート。堂々の演技でミスもなく、着地も完璧に下りて14・933点と好発進すると、2人目の内村もノーミスで14・800点をマークした。あん馬の失敗を取り返したい山室はスペシャリストとしての意地を見せて14・866点をマーク。合計88・532点で5位に浮上。最大のライバル・中国は6位となった。

 第3班は跳馬。1人目の加藤がロペスを決めて15・000点をマークすると、内村もリ・シャオペンを完璧に決めて15・566点の高得点を叩き出した。3人目はこの日初演技のひねり王子・白井健三(19=日体大)。自らの名前がつく「シライ/キムヒフン」で完璧な着地を見せて、内村を超える15・633点。合計134・731点で2位に上がり、トップのロシアと約2点差にまで詰めた。

 第4班の平行棒の1人目は田中。予選では不本意な演技に終わったが、この日は入りのD難度を連続で成功。着地もピタリと決めて15・900点の高得点をマークした。2人目の加藤もノーミスの演技で15・500点。最後の内村は途中で倒立不十分のところがあったが15・366点でまとめて合計181・497点。3連覇を狙う中国が得点を伸ばせないなかで、絶好調のロシアを1・3点追う展開となった。

 勝負どころの第5班は鉄棒。ロシアの3人がいずれも14点台だったのに対し、日本は1人目の加藤が4つの離れ業を完璧に決めて15・066点。予選ではコバチで落下した2人目の内村はコバチ、カッシーナ、コールマンと3連続で離れ業を決めたが、コスミックへのつなぎでミスが出て15・166点止まり。それでも3人目の田中が着地までノーミスで決めて15・166点とし、この時点でロシアを0・208点逆転してトップに浮上した。3位に平行棒で高得点を連発してきた中国が浮上。日本とは0・739点差まで迫ってきた。

 最終種目は床運動。1人目の白井は緊張の面持ちながら得意のひねりを決め、リジョンソン、さらに最後はシライ/グエンもしっかり決めて、驚異の16・133点をマーク。これで日本の流れを作り、2人目の加藤は最後の後方宙返り3回ひねりをピタリと着地し、15・466点を出した。最終演技者となる内村は出だしからミスなくこなし、ルドルフもしっかり着地。最後まで内村らしい演技で15・600点とし、合計274・094点として床運動を行うロシアの結果を待った。

 ロシアは1人平均15・8点以上が必要な展開。1人目は15・000点、2人目は2度のラインオーバーもあって15・100点止まり。最終演技者も得点を伸ばせず、演技を終えて肩を組んで待っていた日本の5人に歓喜の瞬間が訪れた。