体操の全日本選手権・男子個人総合決勝が24日、東京体育館で行われ、東京五輪2冠の橋本大輝(20=順大)が予選(首位)との合計174・161点で優勝し、大会2連覇を飾った。2位は神本雄也(コナミスポーツ)、3位が土井陵輔(日体大)となった。

 エースの貫録を存分に見せつけた。連覇を目指す橋本は最初の床をミスなくまとめ、あん馬もこらえた。2種目を終えた時点で2位の岡慎之助(18=徳洲会)と0・332点差のデッドヒートとなったが、4種目目の跳馬で岡が負傷するハプニング。これで独走態勢を築いた橋本は、ラストの鉄棒でF難度の「リューキン」を決め、着地を止めてVフィニッシュ。この日一番の歓声が沸き起こると、両手を突き上げた。

 連覇を達成した橋本は「最後、鉄棒の着地を決め切ることができて良かったです。鉄棒は最後の逆転種目で自分の武器にしている。オリンピックで金メダルを取った種目でもあったので、鉄棒だけは最後、攻めた勝ちたかった」と最高難度の技を決めたことを喜んだ。

 長年にわたって体操界を牽引してきたレジェンド・内村航平さん(33)は現役引退。名実ともに橋本は体操ニッポンのエースとなった。今大会は代表5人の世界選手権(10月、英リバプール)の予選会を兼ねるが、東京五輪の個人総合&種目別鉄棒で金メダルを獲得したすでに内定している。

「今年はまだ始まったばかりですが、NHK杯を優勝して、世界選手権では団体金メダル、個人総合でも金メダル獲得し、世界一の地位を取っていきますので、これからも応援よろしくお願いします」

 見据える先は2024年パリ五輪での連覇しかない。