内村航平のへぇ~な6種目解説 親友「鉄棒」、仲良くなれず「つり輪」、死ぬかも「跳馬」

2022年03月12日 22時13分

死ぬ覚悟で飛んだ跳馬(東スポWeb)
死ぬ覚悟で飛んだ跳馬(東スポWeb)

 オールラウンダーが一夜限りの復活だ。体操界のキング・内村航平(33=ジョイカル)が12日、自身の引退イベント「KOHEI UCHIMURA THE FINAL」(東京体育館)で現役最後の雄姿を披露した。2019年8月の全日本シニア以来となる全6種目に挑戦し、すべて演じ切った。

 今大会は通常と競技会と異なり、さまざまな演出がなされた。内村は各演技の前にそれぞれの種目への思いを説明。「体操オタクとして、オタクの知識を皆さんに知ってもらおうかなって」という意図があった。

 最初の「床」については「どれだけ着地を止めるか選手権」と表現。体操人生30年、誰よりもこだわった着地を次々と止めて「結構いいスタートが切れたので、今日まさかのまさかあるかと思った」と自画自賛した。

 2番目の「あん馬」はシンプルに「一番、難しい」と話し、失敗できない中での落下のプレッシャーを説明。力技が必要とされる「つり輪」に関しては「唯一、仲良くなれなかった種目」と口にした。つり輪の練習に時間を割くと、他の種目に影響を及ぼすという〝体操あるある〟も披露した。また、器具の上下左右、端から端まで使用する「平行棒」は「縦横無尽」と表現。19年の全日本選手権では肩を痛めて落下した苦い経験があるが、この日は落下せずに演じ切った。

 観客が最も沸いたのが「跳馬」だった。演技前に両手を前に突き出すお決まりのルーティンはいまやキングの代名詞。その理由を「手を付く場所に線を引くイメージ」と語り、ルーツについては「高校2年生の時から」と明かした。さらに、大技の「リ・シャオペン」について「練習から死ぬかもしれない覚悟でやってきた」と振り返り、この日は名前がない技(女子では「バイルズ」)を華麗に決めた。

 そして、最後の鉄棒は「親友」とたとえた。両肩のケガに苦しみ、昨夏の東京五輪には鉄棒のスペシャリストとして1つの種目に絞った。まるで鉄棒と一緒に生活するように、寝ても覚めても鉄棒のことを考え、一心同体となった。2年間も向き合い、最後は「相棒になった」と話した。

 試合後、自身の演技を「60点」とジャッジ。しかし、オールラウンダーとして全種目を終えたキングの満足げな笑顔は100点満点に輝いていた。

関連タグ: