リオ五輪の体操個人総合銀メダルのオレグ・ベルニャエフ(28=ウクライナ)が20年末のドーピング検査で陽性となり、先ごろ地元メディアに自身の潔白を主張している

 オレグと言えば、今年1月に引退した内村航平(ジョイカル)とリオ五輪個人総合で激闘を繰り広げて銀メダルを獲得。3日にはウクライナ情勢を気にかけた内村が「(オレグは)今どうしているのかなって心配」と話していた。今月1日、オレグは国内情勢について「ロシアが民間人を撃たないのは良いことだ」と発信しているが、実は自身に一大事が起きている。ドーピング陽性反応が出たのだ。

 ロシアメディア「スポーツ」によると、今も現役を続けるオレグは20年11月26日の検査で禁止薬物「メルドニウム」が検出されたという。これに対し、オレグは先月22日配信の同メディアで検査結果に「これは100%、匿名による密告だ」と異を唱えている。

「検査当時はオフシーズン。肩の治療中だった私は、バスケットボールの代表チームに従事した経験のある医師に相談していました。彼は頭がいいんです。私は詳しいことは話さず、11月10日と26日に検査をすることを医師に伝えました」

 10日の検査は陰性。しかし、26日の検査で陽性になったとの手紙が12月に届いたという。オレグは「匿名での密告なんです。誰かがキャッチし、ウクライナのアンチ・ドーピングセンターに連絡した。これは違いないです」と主張している。

 一方、オレグは自身のドーピングコントロールについて「この5年間は基本的に月に1回の検査を受けています。何の前触れもなく、間違いなくやってくる。だから私は頭痛薬への対応まですべて知っている。そうしないと、何もかもが怖くて飲めないからです」と説明した上で「2週間という短期間に2回のテストはあり得ない」と話す。

 今も現役選手として活躍するオレグ。今回の検査結果を踏まえて「出場停止処分が軽減されなければ、ウクライナの代表監督として挑戦するつもり」と胸の内を明かしている。