体操のロンドン&リオ五輪個人総合金メダルで今年1月に現役引退を表明した内村航平(33=ジョイカル)が3日、自らプロデュースする引退試合「KOHEI UCHIMURA THE FINAL」(12日、東京体育館)へ向けた意気込みを語った。

 現在、男子強化合宿に参加している内村。昨夏の東京五輪は種目別・鉄棒に絞って挑戦していたが、オールラウンダーとして出場する引退試合を見据えて6種目の練習を行っている。練習状況については「6種目やるって言ったのをちょっと後悔するくらいきついです。内容は落としているけど、こんなに過酷なのかっていうのを改めて感じています」と話した。

 長年、体操ニッポンを引っ張ってきた。そんなキングは現在、スポーツ界にも大きな波紋を広げているロシアのウクライナ侵攻にも思うところがあった。

「やっぱりウクライナと言えば、リオ(五輪)で個人総合を共に戦ったオレグ・ベルニャエフ。その選手が今どうしているのかなって心配なことはありますね」

 個人総合連覇を達成したリオ大会。銀メダルのオレグとは最後まで激闘を繰り広げ、逆転で金メダルを獲得した思い出は忘れることができない。

 内村は「政治のことや戦争のことに関しては立場上、あまり言う権利がないというか。僕の一言で何かが変わるわけではない」と言いつつも「スポーツのところにまで影響が及んでしまうっていうのは非常に悲しいことだなって感じますね」と言葉を選びながら胸の内を吐露した。