体操男子の“ひねり王子”白井健三(18)が父の勝晃さん(55)から“独立”を認められた。

 3日は神奈川県立岸根高校の卒業式に出席した。308人の同級生とともに節目の日を迎え「行事に参加できず、クラスに迷惑をかけた。クラスメートに『ありがとう』と言いたい」と感慨深げ。それでも、女子生徒からツーショット撮影をねだられるなど人気は抜群で、さわやかな笑顔を見せた。

 4月からは日本体育大学に進学する。2016年リオ、20年東京五輪での金メダル獲得に向け、親元を離れて寮生活をスタートさせる。勉強や人間関係も含め、環境の変化には不安もつきまとうが、勝晃さんは「克服するでしょう」と断言。

 白井が高校3年間で最も成長した点について「自分の位置が変わったところですかね。『地位が人を変える』ということで、世界チャンピオンにもなって、ちゃんと独り立ちできる分野ができたということじゃないかな」とみている。

 13年の世界選手権・床運動で金メダルを獲得した経験が白井の内面を大きく成長させ、自信を与えたという。勝晃さんは「あとは自分自身でつかみ取る。ボクらはエネルギーを全部使ってここまでやってきましたから」と息子のさらなる飛躍を見守っていく。

 白井も両親の思いはくんでいる。すでに日体大で練習を開始。「一番年下になるので先輩にいろんなことを聞いていきたい。なるべく早く慣れて、体操の面で新しい自分を見せれたら」と強い意欲を示し、新生活が待ちきれない様子だった。