体操の世界選手権(20日、北九州市立総合体育館)の男子予選が行われ、東京五輪の個人総合&鉄棒金メダルの橋本大輝(20=順大)が6種目で計88・040点をマークし、暫定トップに立った。

 6種目中3種目(あん馬、跳馬、平行棒)で15点以上を叩き出し、種目別の鉄棒でも14・633点で暫定首位となった。つり輪では難度が認定されずインクワイアリー(問い合わせ)を発動したが結果は変わらず。悪循環に陥る可能性もあったが、橋本は「跳馬から立て直せた」と切り替えに成功。王者の貫録と自信によって、再び流れを引き寄せることができた。

 一方、ロンドン&リオ五輪個人総合金メダルで東京五輪代表の内村航平(32=ジョイカル)は鉄棒で14・300点をマークして決勝進出が濃厚。かねて「内村さんを超えたい」と話していた橋本は、その演技を食い入るように見守った。着地の瞬間は拍手し、笑顔で喜んだ。

「ベストを出してほしい一心で応援した。ライバルとかでなく、シンプルに日本代表で同じ選手」

 鉄棒決勝の舞台では、東京五輪で実現しなかった〝新旧キング対決〟が現実味を帯びて来た。ニューヒーローは「直接対決になると思うんですけど、やっぱり僕も内村さんも自分の演技を出すことがお互いの目標。僕も負けずに、最終日の最終種目(鉄棒)までしっかり盛り上げていけたらと思います」と目を輝かせた。