体操の世界選手権(20日、北九州市立総合体育館)の男子予選で、ロンドン&リオ五輪個人総合金メダルで東京五輪代表の内村航平(32=ジョイカル)が演技後にまさかの行動に出た。

 種目別の鉄棒で14・300点をマークして暫定3位。演技後、地元の大声援に包まれると、準備していたサイン入りTシャツを観客席に投げ入れたのだ。突然のファンサービスに中継局の実況も「何か投げましたね!」とビックリ。解説陣は「プロテクター?」「タオル?」と状況が読めずにザワついていた。

 試合後、内村はパフォーマンスの理由を明かした。

「一つは代表のTシャツを余分にたくさんもらえたので、これ使えるなぁと思って。(今大会は)お客さんも入るし、サイン書いて客席に投げ入れたら面白いんじゃないかと。もう一つは生まれ故郷だし、有観客だし、そういったことをしっかり僕はやらなきゃいけないと思った」

 突然のファンサービスに観客は大喜び。満足げなキングは「あんな突拍子もないことをやるのは僕くらい。みんな楽しんでもらえるかなと思って。ちなみにTシャツはまだまだ用意しています」と話しつつ「僕が火付け役になってみんなマネしてやるかもしれない。マネしたら僕のパクリ」とニヤリ。試合後の〝恒例パフォーマンス〟として体操界に新たな文化が根付くか。