【体操】橋本大輝が予告していた〝ぶっこ抜き〟金メダル!恩師は強靭な肉体を絶賛

2021年07月29日 05時15分

予告通りに金メダルを獲得した橋本大輝
予告通りに金メダルを獲得した橋本大輝

〝予告金メダル〟だ。東京五輪の体操男子個人総合決勝(28日、有明体操競技場)で、若きエース・橋本大輝(19=順大)が大逆転で金メダルを獲得。昨年1月に本紙に明かしていた「金プラン」をそのまま実行する〝離れ業〟をやってのけた。さらに驚くべきは、高校時代の恩師も絶賛する強靭な肉体。それを作り上げたのはトレーニングでなく、なんと少年時代に「ほぼ毎年」の頻度で訪れた悲劇だった――。

 金メダルが確定すると、日の丸を手に「ヨッシャー!」と叫んだ。涙はなく、満面の笑み。表彰台のテッペンに上った橋本は「ここで涙を流してしまうと、今の状態に満足してしまう。チャンピオンは涙を流さず、常に前だけ見るっていう強い気持ちでいった」と平然と言ってのけた。

 驚くべきは、その勝ち方だ。この日は床とあん馬を終えた時点でトップに立ったが、苦手のつり輪でスコアを落とし、続く跳馬でも着地で減点されて4位に転落。嫌なムードが漂ったが、平行棒で15点超えの高得点をマーク。首位の肖若騰(中国)、2位のニキータ・ナゴルニー(ROC)と僅差の3位につけ、最終種目の鉄棒を〝大トリ〟で迎えると、高難度の離れ技を連発。完璧な演技で着地し、土壇場で2人まとめて抜き去る大逆転劇を演じたのだ。

 昨年1月、本紙に明確な「Vプラン」を明かしていた。金メダルを首からかける自分を常にイメージしていた橋本は「個人総合では、平行棒まで負けていて最終班の鉄棒で着地を止めて大逆転で金メダル!って想像しています」と話していたのだ。

 恐るべき〝予告V〟となったが、橋本はさらに「パリ五輪(2024年)、ロス五輪(28年)で3連覇」とも語っている。12年ロンドン、16年リオで個人総合2連覇を達成した内村航平(ジョイカル)から「金」のバトンを受け継ぎ、その記録をも塗り替える未来のイメージをすでに完成させている。

 有言実行を果たすメンタルの強さに加えて、強靭な肉体も目を見張るものがある。母校の千葉・市船橋高、大竹秀一監督は「親に感謝するほどケガをしない体」と舌を巻くが、実は本人によると「小・中学生のころは、ほぼ毎年のペースで骨折していました」。6歳で体操を始め、小学2年で右ヒジを脱臼。小学4年では左手の中指を骨折し、小6では左足の小指、くるぶしと2回も骨折した。さらに中学3年では全国中学校大会の2日前に左足首を骨折した。

 これは一部に過ぎず、疲労骨折なども含めるとケガの遍歴も〝金メダル級〟。橋本は「ケガした記憶しかない」というが、この経験がむしろケガをしない体に役立ったというから興味深い。「ケガの直前って何か嫌な予感がするんです。だから技の練習中に『あ、嫌だな』って思ったら絶対にやめる。そうしたら、高校入学してからケガがゼロになりました」

 悲劇を何度も味わったことで唯一無二の〝センサー〟が備わり、故障知らずの肉体が完成したのだ。V予言は単なるビッグマウスではなく、確かな自信に裏打ちされたもの。体操ニッポンの新エースの金メダルは「偶然」ではなく「必然」だったと言えそうだ。

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