カムバックもある!? 体操男子の白井健三(24=日体大教員)が現役を引退した。2013年に日本最年少となる17歳1か月で世界選手権の床運動を制し、16年リオ五輪では団体で金メダル、個人跳馬でも銅メダルと輝かしい実績を残した。近年はケガの影響もあり思うような演技ができず、東京五輪の代表からも落選した。

 それでも16日の会見では「選手として未練はない。恵まれた体操人生だった」とすっきりとした表情。師匠と仰ぐ五輪個人総合2連覇の内村航平(32=ジョイカル)にも「航平さんがいなかったら今の僕はいない。感謝という2文字では伝えきれない存在」と思いを吐露した。

 今後は母校・日体大の体操部コーチに転身する。「皆さんに『白井健三の教え子だからシライができるんだ』と思ってもらえるような教え子が出てくれば面白い」と自身の名がつくひねり技の指導にも意欲的だ。

 その白井の引退に、神奈川・鶴見ジュニア体操クラブ代表で父の勝晃氏も「若い時から10年くらい世界の第一線でやっている。10年といったらプロ野球やサッカー選手でも疲れてくるもの。『24歳なんだからまだできるでしょ』というのではなく、ここらで締めくくりをして僕らもそれを受け入れないと。今後は指導者となるがまだ若い分、動きながら教えられる特権を持っていますしね」とねぎらった。

 その一方で「またやりたくなったら〝またやります宣言〟をすればいいと伝えた。体操中心の生活の中、それがポーンとなくなったらムズムズしてくるもの。僕にも経験がある」と将来的な復帰にも含みを持たせたが…。〝ひねり王子〟の第2の体操人生にも注目だ。