完全アウェーは覚悟済み。体操の世界選手権(10月、中国・南寧)に臨むロンドン五輪個人総合金メダルで世界選手権同4連覇中の内村航平(25=コナミ)らが、団体金メダル奪還へ腹をくくっている。

 体操男子代表は29日、都内の味の素ナショナルトレーニングセンターで練習を公開。チーム最年長で主将を務める内村は「個人総合の連覇のことは考えていない。一番は団体金を目指している」ときっぱり。2004年アテネ五輪の“栄光の架け橋”後、中国に譲っている団体金メダルを最大の目標に置いた。

 気になるのは、会場が中国ホームという点だ。08年北京五輪では、会場中を埋め尽くす観客の大歓声に後押しされた中国に敗れ、銀メダル。現在の日中関係を考えれば世界選手権でも大ブーイングを浴びせられるのは確実で決して心地のいい場所ではないはず。それでも、内村は「多少何かはあると思うけど、気にしていない。というか、そんなんでダメになったら日本代表とか言えない」と大エースらしい覚悟で臨む。

 また、最近では中国の食品加工会社が期限切れの鶏肉を出荷するなど、現地衛生面への不安が高まっている。団体での活躍も期待される“ひねり王子”白井健三(17=根岸高)は「栄養士さんや調理師の方が日本から同行してくださるので心配していません」とあっけらかん。内村主将以下、若い日本代表が強心臓で結束している。