新型コロナウイルス禍以降、初の国内国際大会となる体操連盟(FIG)主催の交流大会「Friendship and Solidarity~友情と絆の大会~」が8日に開催される。

 今大会は中国、ロシア、米国、日本のトップ選手が参戦。来年夏の東京五輪開催の〝試金石〟と言われ、日本のエースで五輪2連覇の内村航平(31=リンガーハット)は「絶対に成功させないといけない大会」、昨年秋の世界選手権個人総合金メダルのニキータ・ナゴルニーも「五輪がぜひ行われるべきだと証明するイベントになる」と選手たちは自身のパフォーマンス以上に大会成功を祈っている。

 そのため、新型コロナウイルス対策は完璧だ。今年6月の大会構想時から渡辺守成FIG会長(61)は徹底した管理体制を構築し、外国人の現地での行動や入国時の受け入れに神経をすり減らしてきた。「選手は私の息子、娘と同じ。必ず守る」(渡辺会長)という言葉通り、一義的にアスリートを安全を考えて開催に踏み切った。

 実際に来日し、ホテルと会場を行き来する選手団からは「とても安全と感じる」「居心地がいい」と好評だ。宿泊施設のフロアは各国ごとに分けられ、ホテル内でも自由は制限される。その一方で各フロアにゲームなどが興じられるリラックスルームも設置され、米国選手団からは「非常にホスピタリティーに満足」「この機会でチームが一体となったことに気づいた」との声も出ている。

 一方、感染リスクを最小限にするため大会前の2週間に及ぶ隔離、入国後も連日のようにPCR検査を行う他、通訳やバックヤードスタッフなど選手と密接度の高い順番に関係者を4つのランクに分けるなどの工夫も凝らした。会場にはエアバスター、空気清浄機、感染対策フードなど複数の企業から提供された対策グッズがずらりと並ぶ。東京五輪・パラリンピック組織委員会を筆頭に他競技団体も注目しており、日本オリンピック委員会の山下泰裕会長(63)は「なんとか成功して、盛り上がってもらいんたい」と期待する。

 来年夏の大会への扉を開くべく、全世界の五輪関係者が注目する中で運命の大会が幕を開ける。