新型コロナウイルス禍以降、初の国内国際大会となる体操連盟(FIG)主催交流大会「Friendship and Solidarity~友情と絆の大会~」がいよいよ8日に開催される。開幕前日の7日、大会に出場する五輪2連覇の内村航平(31=リンガーハット)がリモート取材に応じた。

 今大会は中国、ロシア、米国、日本のトップ選手が参戦。来年夏の東京五輪に向け、関係者も「ここまでやるか」と言うほど徹底したコロナ対策が施されている。出場選手はホテルに缶詰めとなり、国ごとに区切られたフロア以外は出入りすることすらできない。この抜け目ない対策に内村は「十分すぎると思いますね。こっち(会場)に入ってからも毎朝、PCR検査をやっている。しかも鼻に突っ込む痛いヤツを」と苦笑交じりに話した。その上で、こんな持論を展開する。

「やり過ぎくらいでちょうどいい。初めて日本でやる国際大会なので、五輪のために絶対に成功させなきゃいけない大会。やり過ぎたところから、どれをどれくらい減らすかっていうのも見えてくる。僕はちょうどいいと思っています」

 大会前は一度、検査で陽性となったものの、後に偽陽性と発覚。完全な〝濡れ衣〟によって丸2日間も隔離されるハメとなったが、その間も仲間とライングループで室内トレーニングの動画を送り合ったり、部屋の中でできる練習に取り組んできた。異例の事態に対しても「五輪に向けてすごくいい経験になったと思う」と前向きに語った内村は、さらに続ける。

「限られた環境でやるしかないので、僕としては普通のこと。これくらいイレギュラーがあってもいいと思っている。どんな状況でもやらないといけない。もはや大変かどうかは関係ない。このご時世、大変なんて言ってられない」

 世界が一変し、皆が苦境に立たされるが、キングは「普通じゃないことを楽しめている自分がいる」と、どこまでもポジティブにとらえている。